京王線八幡山駅から徒歩16分、紅葉が広がる芦花公園に入るとドッグランからにぎやかな鳴き声が聞こえてきます。小さな子どもを連れてお散歩を楽しむ人などが集まる憩いの場。公園内で花壇が広がる通称・花の丘に入ると公園の折り返し地点。水色のレトロな建物が見えたら、そこが今回紹介する 「caffe LOCASA」(以下ロカーサ)さんです。

以前は、別のコーヒー店で働き店舗運営の経験を積んでいましたが、男性社会という印象が強いカフェ喫茶店業界の中で女性として活躍するために、バリスタのスクールに通い技術を磨こうと決めました。そのスクールで、前回のインタビューに登場していただいたもるげん珈琲さんのお二人と知り合い、スクールを出た後も、長田さんはもるげん珈琲さんを訪れるなど交流があるそうです。日本バリスタ協会に認定された技術を活かすため、コーヒー豆の仕入先も種類に応じて複数の豆屋さんから購入しています。ブレンド用のコーヒー豆は、もるげん珈琲さんから買っているとか。

空き家を改装、親子の空間。

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お店の物件探し、条件は公園に近いこと。運良く見つけた空き家は、芦花公園の目の前で、春になるとお店のカウンターが絶好のお花見ポイント。デザイナーが仕立てたやわらかな内装が、親子でくつろげる空間になっています。

特筆すべきは店内奥に用意された座敷スペース。小さい子を連れて親子で入れるお店にしたいから出てきたアイデアです。座敷部分には、おもちゃのキッチンなど子どもたちが遊べる用具が用意され、お母さんは子どもの遊ぶ姿を見守りながらコーヒーを楽しめます。休日になるとイクメンが来ることも珍しくないとか。お店に慣れた子どもたちは、まっすぐに奥の座敷に向かい靴を脱いで上がっていくそうです。

この座敷スペースを使って、月に一度開催される人気イベントがベビーマッサージ。お客さまとコミュニケーションを取る機会としてうまく機能しています。景色の良いカウンターより座敷が人気かな、と長田さん。

地道に開拓、食の安全。

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長田さん:「子どもにも安心して食べてもらえる食事を提供するために、食材の仕入先にも苦労しました。取引先が全くないゼロからのスタートなので、オープン当初は食材に関するイベントに何度も足を運び情報を集めました。

野菜の旬な情報が週に2回ほど業者からFAXで届くので、それを見て判断し発注をしています。鶏肉に関しては飲食店と農家のマッチングサービスに加入し、自分のお店が欲しい食材を登録しておくと、条件に合う会社が連絡をくれるので、食材を探すのも便利になりました」

早ければ翌日には食材が届くので、味もアイデアも新鮮なままお客さまへ提供できるのがお店の持ち味。

テラスを活かした心遣い。

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様々なお客さまに対応できるのが、テラス席です。

長田さん:「店内での喫煙はご遠慮していただいてますが、タバコが吸えないとお店に行けないという喫煙者の意見を参考にし、テラスは喫煙可にしました」

また、芦花公園内のドッグランを楽しみに来る公園利用者に配慮して、テラス席はペット対応可。店内に連れ込むことはできなくても、ペットと一緒に美味しい食事を楽しめます。

つながりをもっと。

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長田さん:「ウェブサイトの制作をしませんかと営業の電話をよくいただきますが、費用が高く、それで必ずお客さまが増えるとも限らないじゃないですか。フェイスブックや食べログの登録で十分やって行けていると感じます。周辺に競合となるカフェが少ないのも好条件でした」

まだまだ全然満足の行く集客ができていないとのこと。

長田さん:「結構ママさんが口コミで広げてくれていたので、それがありがたかったです」

効果を感じたのは、郵便配達員が直接ポスティングをしてくれるタウンプラス。配布から二ヶ月も経つと、10%近くのお客さまが新規ご来店とか。

長田さん:「デザイナーの方にお店のかわいいロゴも作ってもらったので、手作りの看板と合わせて雰囲気作りを担っています。ロゴ入りのバッグなどオリジナルグッズを作って販売したいです」と展望を話していただきました。

(DNSニュースレターvol.6 2015/9/20発行分より抜粋)

caffe LOCASA
代表者 長田 友紀子さま
所在地 〒 157-0063 東京都世田谷区粕谷1-6-27 フジ1F
最寄駅 京王線 八幡山駅 徒歩16分
TEL 03-6304-6888
営業時間 月~土: 10:00~20:00(L.O19:30)、日: 11:00~18:00(L.O17:30)
定休日 不定休